0508 無理のない参加とブログ連載数学編第9回

今日は、普段の会場とは異なる場所での開催になりました。生徒の人数は少なめでしたが、皆集中して取り組んでいました。

中学生は来月に中間テストがあるので、この教室で取り組んだ成果が出ると良いなと思います。

 

緊急事態宣言の延長が決まり、いろいろと不安になることもあるとは思いますが、この教室では生徒もスタッフものびのびと過ごしています。

私は週に1回、教室に参加していますが、競争を強いることのない教室の雰囲気が気に入っています。これからも、教室が長く続くと良いなと思います。

スタッフ黒山

 

本日は大田区内蒲田にある会場を特別に借りることができました。

生徒もスタッフも無理のない範囲で参加できることを伝えながら、少数で行っています。

中には塾に来たいけれども、学校の土曜日授業があるので行けません、という連絡ももらっています。

学校の先生も生徒も大変だと思います。

 

早くこの事態が良くなることを心から祈っています。

教室長

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別会場にて

(以下スタッフ本間)

 

数学について、賢人の言葉。
まずは結論から。


日本ほど学問を文系、理系とはっきり分けてしまう国は稀だといわれますが、
数学を学ばないと理解できない領域があることは指摘しておきたいですね。
(佐藤優)



第9回は、数学と物理学とのあいだ其の1です。
☆印はコメントです。
?だらけですが、疑問をもつことは大切ですよね。

幾何学に数学的幾何学と物理的幾何学という2つの本質的に異なった種類がある。
それは、アプリオリ(先験的)な方法と経験的方法という、知識獲得のための2つの基本的に異なった方法のすぐれた典型でもある。
(カルナップ)

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幾何学を2つに分けてみる。
物理的幾何学とは、空間を対象にできるということでしょうか。

幾何学は空間を問題としてもち、空間における存在の根拠を機関としてもつ。
算術は時間を問題としてもち、時間における存在の根拠を機関としてもつ。
論理学の問題は概念の結合関係そのものであり、機関は認識の根拠である。
(シヨーペンハウアー)

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☆算術とは数論のこと。
カントは、時間と空間を思考の形式とみなしていました。
特殊相対性理論は宇宙における空間と時間を単一の4次元連続体へと融合させました。

数学と時間とのあいだについては、、、

この実在的な時間は私たちが数学を構成する際の基礎になるものだと思います。
それは一方では何度も繰り返される過程によって生成される可能性の開かれた場を持ち、
他方では法則によって可能性を固定し、個々の数や個々の関数を得ます。
数学の構成については、私たちは束縛と自由との交わる上に立っています。それが人間の本質です。
(へルマン・ワイル)

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☆時間=場=幾何学
記憶とも関係しそうですね。
時間についても調べてみたいんですけど。


要するに真の科学的進歩の方向は、多年にわたって空間および時間の無限分割可能性を目指すものであった。
(マックスウェル)

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すなわち、できるかぎり狭くかぎられた範囲の事実を微分方程式よって記述することである。
われわれはそれを数学ー物理学的基礎に立つ現象論と名づけたい。
このものは事実のひとつの新しい描像を与えるものであり、できるかぎり多くの描像を得るのが有利であることは明確である。
(ボルツマン)

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微分積分は、ニュートンライプニッツからですが、時間も対象にできるのでしょうか?
神、無限、数学、科学、、、
前回、有限、無限の話が出ましたが、物理的な世界には無限(極限)は存在するのでしょうか?


感性的直観的表象のみが、物理方程式の設定を導きうるのであり、方程式の解釈が存在するのもまさしく感性的直観的表象においてである。
からして、方程式は空間的数量しか含んでいないとはいえ、感性的諸要素の系列のどの項から世界像を組み立てるべきか、これを指示する秩序づけの原理たるにすぎないのである。
(マッハ)

☆音速のマッハです。
存在の、あるいは認識の根拠を感覚のみに求めました。
それと、ニュートン古典力学を批判しました。質量を加速度によって定義したり、絶対時間、絶対空間を無用としたりと。
ならば相対的に考えるほかないのですが、それが感覚なのでしょうか?


二種類の多数性が存在するという結果が生ずる。
すなわち、直接的に数を形成する物質的対象の多数性と、
必ず空間が介入してくるなんらかの記号的表象の介在なしには数の相(すがた)をとることのできないような、意識事象の多数性と、である。

持続たるかぎりでの持続、運動たるかぎりでの運動は、数学的認識の手にはあまるもので、
数学的認識は、時間からはただ同時性のみを、運動自体からは不動性のみを、保有するのである。
(ベルクソン)

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☆物質的対象と意識事象、持続と同時性、不動性。難しいですね。

ユークリッド幾何学によって可能な配置が記述されるはずのその空間構造は、物理学の内容から切り離しては与えられないのである。
しかし物理学は、その概念を確立するにあたってかならず幾何学利用しなければならないのだから、幾何学の経験的要素は物理学全体の枠組みにのみ示され、検出されうるのである。
(アインシュタイン)

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幾何学と物理的は切り離せないようです。幾何学のなかに経験的要素?があるということでしょうか。

およそ科学的思考の対象となりうるものは、すべて、一つの理論を形成できるほど成熟すると、
公理的方法を介して間接的に数学に帰属するものだと思う。
(ヒルベルト)

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☆科学と数学の思考のあいだは、公理ということでしょうか?

つづく

ご参考
「読む力 現代の羅針盤となる150冊」松岡正剛佐藤優著、中公新書ラク
「物理学の哲学的基礎」ルドルフ・カルナップ著、沢田允茂、中山浩二郎、持丸悦朗訳、岩波書店
ショーペンハウアー全集 2」斎藤忍随、笹谷満、山崎庸佑、加藤尚武茅野良男訳、白水社
「精神と自然」へルマン・ワイル著、岡村浩訳、ちくま学芸文庫
「世界の名著 65 現代の科学 Ⅰ」湯川秀樹井上健編集責任、中央公論社
「世界の名著 66 現代の科学 Ⅱ」湯川秀樹井上健編集責任、中央公論社
「感覚の分析」エルンスト・マッハ著、須藤吾之助、廣松渉訳、法政大学出版局
「時間と自由」ベルクソン著、平井啓之訳、白水社
「特殊および一般相対性理論について」アルバート・アインシュタイン著、金子務訳、白揚社
「哲学の歴史 第11巻 数理・数学・言語」飯田隆責任編集、中央公論新社