0424取材と本間連載

今日は団体のプロモーションビデオを作成するべく、映像取材を代表やスタッフが受けました。

教室立ち上げのときからのスタッフや、通学していた生徒から高校卒業してスタッフになった人、そして代表が取材を受けていました。

完成するPVをお楽しみに!

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取材を受ける代表

スタッフ本間連載

数学について、賢人の言葉。
第8回は、数学と論理学のあいだです。

☆印は私のコメントです、
が、全体的におおざっぱなので、興味ある方は本を読んで下さい。

整数は神様がお作りになったもので、その他は人間わざである。
(クロネッカー)

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有理数や整数を自然数から定義することは簡単ですが、自然数り単純な数はありません。
、、、数ではありえないので、自然数を論理に還元しようという動きがおきました。(論理主義といいます)
さて、論理学だけを使って数学を再創造するとはどういうことなのか?

普遍的計算を確立するためには、任意の項に対する記号が発見されねばならない。
相互に結合されることにより直ちに、項から合成された命題の真理性を認識することができるであろう。
私は記号の内で最も適切なものは数であることを見出だした。
実際、数は扱い易く、すべての事物に適合し、そして確実性をもつのである。
(ライプニッツ)

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☆どうやら記号を用いるようです。
そしてそれらを結合することで、普遍的な知の可能性の構想、そして論理機械ができる?

すべての必然的推論は厳密に言えば数学的推論であり、それはすなわち、必然的推論が数学的な図標(ダイアグラム)と同等であるような何ものかを観察することによって、遂行されるということである。
しかし、数学的推論の本当の精髄をなすのは、関係項の論理学に属するあの格別に込み入った種類の推論からである。
(パース)

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☆数学的推論と関係と論理学、シャーロック・ホームズですね。

算術はよりいっそう発展した論理学にすぎない、とはよく言われることである。
しかし、承認された論理法則に従っては行われず、直観的な認識に基づいているような移行が証明に現われる限り、このことには議論の余地が残る。
これらの移行が単純な論理的なステップに分解されるときにはじめて、われわれは論理学以外の何ものにも基づいていないことを確信できるのである。
(フレーゲ)

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☆直観が入るスキは、あるのかないのか?
ブラウワーは、数学の基礎を主観的時間直観(ニ一性と呼びます)に求めました。
カントとも何やら繋がりそうですね。

無矛盾性の証明は不可避の問題だから、論理学自体を公理化し、数論や集合論は論理学の一部にすぎないことを示すことが必要だと思われる。
(ヒルベルト)

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☆「有限算術化」と「無限算術化」の相反する方法がありました。
ゼノンのパラドックス微分積分学(無限小解析学)に出てくる極限の問題?
「数学の厳密化」或いは「算術化」は、コーシーやワイエルシュトラスの解析学により、実数の連続性(実数は数直線上にびっしり隙間なくつまってる)が証明され、
カントールの無限集合論により、無限についての数学が可能になりました。
ここで算術化は、無限という抽象的なものの扱いでもめます。(クロネッカーは有限派)
カントールを受け入れたヒルベルトは、公理が無矛盾であるだけでなく互いに独立であることを求めました。
この一言には、数学的対象、形式主義、公理と推論、数学問題の可解性、神学などなど含まれていて、ゲッチンゲンの森はそうとう深いです。

吾々が普通の数学的概念を分析し、論理的により単純なものに背進した後、さらにそこから新しい道に沿うて出発し前進するときは、
新しい見解と新しい力と新しい対象に至る手段とが得られるであろう。
(ラッセル)

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☆数学的概念と歴史や進歩は繋がっている?

数学とはひとつの論理学的方法にほかならない。
数学の命題は等式であり、それゆえ疑似命題である。
数学の命題はなんらかの思考を表現するものではない。
われわれはただ、数学に属さぬ命題からやはり数学に属さぬ他の命題を導くためにのみ、数学の命題を用いる。

数学の問題を解決するのに直観は必要か。
この問いに、ひとはこう答えねばならない。
言語こそがここで必要とされる直観を与える。
(ウィトゲンシュタイン)

☆数学、論理、命題、直観、そして言語?

有限的な数論をある分量だけ含むような任意の無矛盾な形式において、決定不能な算術の命題が存在し、さらに、そのようなシステムの無矛盾性は、そのシステム内では証明できない。
(ゲーデル)

☆最後はゲーデル不完全性定理です。
この意味を解釈すると、
・数学は矛盾しているか不完全であるか、どちらかである。
・数学の正しさを「確実な方法」で保証することは不可能であり、それが正しいと信じるしかない。

数学は、実は折り紙つきではなかった?という事なのでしょうか。
この定理は、数学を「数学の形式系」とするか、「数学自体」とするかで、違ってくるようです。
ゲーデルは、「数学の形式系」を選択したようで、、、ヒルベルトはショックですよね。

やまとうたは、人のこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。
(古今和歌集 仮名序)

ご参考

「世界の名著 66 現代の科学 Ⅱ」湯川秀樹井上健編集責任、中央公論社
ライプニッツ著作集1 論理学」ゴッドフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ著、澤口昭聿訳、工作舎
「連続性の哲学」パース著、伊藤邦武編訳、岩波文庫
フレーゲ著作集1 概念記法」藤村龍雄編、勁草書房
「数理哲学序説」ラッセル著、平野智治訳、岩波文庫
論理哲学論考ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、岩波文庫
ゲーデル 不完全性定理」林晋、八杉満利子訳、岩波文庫
古今和歌集 全訳注」久曾神昇、講談社学術文庫